『IN/SECTS vol.18』の不登校特集(「THE・不登校」)に寄稿しました。

現在小6次女の不登校状態が始まってからかれこれ7年(保育園時代から)。

基本的には自分も妻も、無理に学校に行かなくても、と思う方でしたが、しかし、これだけ長くこの状況下の娘を見るうちに、決してそう簡単には割り切れなくなってきました。日中、家にずっと1人でいて、ほとんど誰ともコミュニケーションを取らず、身体もほとんど動かさずにこの発育期を過ごしている姿を見ていると、やはりなかなか心配ではあります。

いまは週に1,2回、本人が今日は行ってみようかな、という気分の時だけ(あとは家でオンラインで参加したりしなかったり)、僕か妻かが娘と一緒に学校に行き、教室の外に椅子を並べて2人で座り、廊下から1時間くらいだけ授業を聞いて、また一緒に帰ってくるという日々です。

この7年間、本当にいろんな状況を経て、いまはそんな状態にあります。自分自身も、おそらく娘も、様々な気持ちの変化を経てきました。

『IN/SECTS vol.18』の不登校特集にて、機会をいただき執筆しました。正解も出口も見えない現状について自分がいま思うことを、本人の許可を得て、書きました。そしていまの自分の娘への向き合い方につながってる、自分自身の小学校時代の忘れられない思い出を。

特集「THE・不登校」、多様な執筆者が、いろんな切り口から不登校について書いていて、とても充実した特集になっています。ご興味ある方はぜひ。
『IN/SECTS vol.18』の詳細・目次はこちらから
https://insec2.com/in-sects-vol-18

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昨日(今日はオンライン参加)も1時間目の途中から娘と一緒に学校に行き、教室の扉の前に椅子を並べて国語の授業を廊下から聴講。いつもならその時間だけで帰るのだけれど、昨日は少し気分が乗ったのか、次の算数も廊下から参加。
そして3時間目の総合の時間はみなで畑づくりをするとのことで、友達らが「一緒にやらない?」、って声をかけてくれて、その時間も参加することに。結局その時間も、遠くから2人で眺めている感じだったけれど、僕の仕事の関係で帰らざるを得なくなった11時くらいまで滞在し、下校。これだけ長くいたのは1年以上ぶりくらいかも…。

先生もクラスメートもいつも本当に温かく、程よい距離感で娘に接してくれて、そのことはとてもありがたく、娘も自分たちも、いつもみなに助けられているなあと感じます。

NHKラジオ第2で、NHKカルチャーでの講座を放送。3月16日夜です。

1月に青山で行ったNHKカルチャー講座の内容が、1時間ほどに編集されて、明日16日の夜20時から、ラジオNHK第2で放送されます。

https://www.nhk.jp/p/rs/GPV3P86GMP/episode/re/ZN57QQ1XL2/

講座の費用がまあまあしたので、誰も来なかったらどうしよう…と不安な気持ちで臨んだ講座でしたが、思って以上の方に来ていただきみなさんに熱心に聴いていただけたおかげで、自分なりに充実したお話ができました。

トランプ就任前だったので、それと関連する辺りがラジオではどう編集されているかわかりませんが、演題は以下です。

旅することと生きること

ーー寛容さが失われそうな時代にーー

よろしければ。

来週再放送、オンライン配信もある感じです。

朝日新聞の言論サイト「Re:Ron」に寄稿  <「1%のリスク」と「99%のいい出会い」 旅で考えた警戒心と分断>

朝日新聞の言論サイト「Re:Ron」に寄稿しました。

「1%のリスク」と「99%のいい出会い」 旅で考えた警戒心と分断

分断が進み、信頼し合うことが難しくなりつつある今だからこそ、信頼し合うことの大切さと可能性について改めて考えたいと思い、書きました。<信頼こそが人を幸福にする>という事実は、心に留めておきたいと最近切に思います。

荻田泰永さん『君はなぜ北極を歩かないのか』読了 「旅とは、憧れだ」

冒険家の荻田泰永さんが書いた『君はなぜ北極を歩かないのか』(産業編集センター)読了。 12人のバックグラウンドの異なる若者(+写真家)を引き連れて、北極圏600キロを踏破する物語。荻田さんと若者たちが、それぞれに葛藤し、真剣にぶつかり合い助け合いながら極限の環境を歩く様子に、とても心を打たれ、気持ちを揺さぶられた。

最近、ある大学の先生が、高校生への講演の中で、「自己紹介をするときは、自分がどう相手に役に立つ存在かを伝えなければいけない。そうでなければ相手に興味を持ってもらえない」と話していた。それを聞いてものすごい違和感を持ったのだけれど、荻田さんが本書に書いている言葉の中に、まさにその逆とも言えることがあった。役に立つかや意味があるか、ではなく、「やりたい」という個人の衝動とその結果の行為自体に価値がある、社会はそれを尊重する場であるべきだ、といったことが、とても説得力のある形で書かれていて、本当にそうだなあと思った。なぜ冒険をするのか、なぜ北極へ行くのか。最後まで読んですごく腑に落ちた。

そういったことを、この極限環境の中で若者たちに全身で伝える荻田さん、それに食らいついて600キロを歩き抜いた若者たち、そして撮影しながら両者を結びつける重要な役割を果たす写真家の柏倉陽介さん、全員に圧倒された。参加者の中の4人が本書の最後に寄せている振り返りの文章もそれぞれよかった。荻田さんのあとがきにあった言葉「旅とは、憧れだ」がずっと心の中を漂っている。

興味もたれた方は是非読んでみてください。