読売新聞書評欄「ひらづみ!」『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(マイケル・サンデル著、早川書房)

読売新聞月曜夕刊 本よみうり堂 の「ひらづみ!」欄の書評コラム、担当2回目は、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の『実力も運のうち 能力主義は正義か?』を取り上げました。自分は比較的、タイトルのように考えてきた方だと思うけれども、世の中が不平等であるということについてもやもやした気持ちを持ちつつも、「能力主義」についてここまで突き詰めて考えることもなく、いままで来ました。そんな自分をとても動揺させ、ずっと考えさせ続けてくれる一冊でした。この記事で興味を持ってもらえたら、是非読んでみてください。

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今日で旅立ちから18年。

思えば今日は、長旅に出発した日からちょうど18年。

26歳で、あらゆる関係性や立場を脱して、あてなく自由な生活を異国でスタートするというのは、最高に開放的で嬉しかった記憶がある。旅が終わる日なんて想像つかなかったし、ましてや自分が40代になる日がくるなんて(そしてもう40代半ばだけれど)。

思い出すと感傷的な気持ちにもなるけれど、当然のことながら時間は経つし、年もとる。人生は長くない。過ごした時間に後悔がないように過ごす以上にできることはないなと改めて思う。

写真は出発翌日、豪州着陸直前の朝。この日シドニー在住の友人宅にひとまず泊めてもらうところから、長い5年半が始まった。

ちなみに、旅立ちの直後から書きだしたブログがこちら↓。
http://bloggers.ja.bz/ykon/archives/2003_06.php

当時、ネットなどに詳しい大学の友人、須之内くんが、結婚式を機に作ってくれたブログ。
須之内「これから『ブロッグ』ってのが流行り出すと思うよ」
自分「ブロッグって何?」
2003年はそんな時代。

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文春オンラインにて、文庫版『吃音 伝えられないもどかしさ』の一部が読めます

今朝、文春オンラインに、先月発売した拙著『吃音 伝えられないもどかしさ』(新潮文庫)の本文が、まとまった量掲載されました。前編は、本書の主人公とも言える男性が、自身の過去を話す場面。後編は、吃音に悩まされる小学生とそのお母さんの紆余曲折の日々の一部です。話してくださった場面が心にとても残っています。

本をちょっと読んでみたい、という方がいらしたら、是非読んでみてください。

(前編)
「自由に話せたという記憶はない」17歳で自殺未遂…言葉の詰まりを抱える男性が直面した“厳しすぎる現実”
https://bunshun.jp/articles/-/45607

(後編)
「春樹くんってこんなに元気だったんだ」“言葉の詰まり”に苦しむ男の子の様子が激変した“きっかけ”とは
https://bunshun.jp/articles/-/45608

少年院で会った少年

最近、朝日新聞で「最後の砦 少年院の日々」という連載(全3回)が掲載されていました。
(⇒念のためですが、これは自分が書いたものではありません)

自分自身、年末と年始に少年院に行って話を聞き、少年院にいる少年の多くは、きっとそれぞれに、何らかの困難があったり様々な事情を抱えているのではないかと感じるようになりました。その中で会ったのが、重い吃音のある少年でした。

彼のような少年のことを少しでも広く知ってもらえるきっかけになればと思い、『吃音』の文庫版あとがきの最後に彼のことを少し書きました。読んでいただけたら嬉しく、その部分をアップします。よかったら読んでみてください。彼が、いい形で再スタートを切っていることを願っています。

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