『吃音 伝えられないもどかしさ』(新潮社)が2019年1月31日に発刊になります。

2013年に取材を始めて、新潮45に不定期連載をしてきた吃音についてのルポが、いよいよ単行本として完成間近となりました。

『吃音 伝えられないもどかしさ』
https://www.amazon.co.jp//dp/4103522615/

2019年1月31日に新潮社から発売します。昨日の深夜に、最後の細かな詰めまでほぼすべてを終えたところです。表紙はまだですが。

連載を終えたのは2017年の夏で、18年の初めには本になるかと思いきや、自分自身の力不足と、担当編集者の厳しく情熱のこもったご指導により、思いもしないほど長い時間がかかったものの、連載時から大きく姿を変えて、想像以上に内容を深めることができました。

一時は完成が見えずに途方にくれましたが(3月にいったん完成したと思った段階の原稿を、編集者に長文の手紙とともに差し戻され、そこから4, 5カ月にわたって大改造し、ついに納得してもらえるものになり、さらにそこから3ヵ月ほどかけて細部を徹底的に磨きました)、自分にとって極めて大切なテーマを扱ったこの本を、全く妥協を許さないその方に担当していただけたこと、何よりもの幸運だといま感じてます。

2002年、大学院を修了後、日本を出る前にライターとしての第一歩を踏むべく試行錯誤しながら書いた初めてのルポ(吃音矯正所がテーマ)がこの本の原点となっています。また旅に出ようと思ったそもそものきっかけも、そしておそらく、自分が文章を書いていこうと思ったきっかけも吃音にあります。その意味でも、この本は自分にとって、20代半ばからの15年ほどのライター人生のすべてを注ぎ込んだ、ここまでの集大成という気がしています。

主人公の方初め、複数の方に、人生の深く重い部分をさらけ出してもらって、それを自分が伝える責任を本当に今回痛感しました。今も、その方たちの思いや経験をちゃんと伝えきれているか、時にものすごく不安になることがありますが、最大限の敬意を払うと同時に忖度はせず、一切の妥協なくやるべきことはやったという気がしています。ご協力いただいた皆様には本当に感謝しています。

吃音というテーマがこのような形で書かれたことはおそらくないと思います。吃音の当事者にとって大切に思ってもらえる一冊になるように、と同時に、吃音が身近でない人に読んでもらえるようにするにはどうすればいいか、と言うことを徹底的に考えて書きました。

是非是非是非、読んでいただければ嬉しいです。
また、2月以降には、いろいろとイベントもやらせてもらうことになるかと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。