『月刊すこ~れ』連載 「子どものなぜへのある父親の私信」について

 昨年の夏ごろから『月刊すこ~れ』(公益社団法人 スコーレ家庭教育振興協会)にて、「子どものなぜへのある父親の私信」と題して、子どもの疑問に答えるという形の短いエッセイを毎月連載しています。子どもがふと疑問に思うだろう問いに真剣に向き合い、自分なりの回答を、思いを込めて、自らの言葉で提出していこうというものです。連載を始めるにあたっての言葉で、私は、以下のようなことを書きました(『月刊すこ~れ 」2018年8月号):

<いまの子どもや若者は……と、ため息交じりに語る声はいつも多く聞こえてきます。しかし、若い世代に何か問題があるとすれば、それは今ある社会や環境を作り上げた自分たち大人世代のあり方が問われるべきだと思っています。特に最近、社会をリードする立場にいる人間が平然とウソを言い、自らの行動にも責任を取らないことが常態化する中で、大人たち一人ひとりがしっかりと若い世代に向き合っていかなければ、何十年後の日本社会はとんでもない方向に進んでしまうのではと危惧しています。
 私たちがすべきことは何なのか。その一つは、真剣に子どもたちの思いに応え、その人なりの「理想」を語っていくことではないかと思います。子どもたちにとって、現実の複雑さや割り切れなさを知ることはもちろん重要なことですが、それはいずれ、おのずと現実が教えてくれるはずです。しかし、理想は脆く、時に容易に荒波のような現実に押し流されてしまいます。だからこそ、誰かが語らなければ伝わらない。しかも、本気で、熱を持って。>

 そんな思いを持ちながら、毎月、決まった答えのない2つの問いに向き合っています。毎月、誌面のみに掲載されていますが、さらに広く読んでもらえればと思い、過去のものをこちらのブログにも掲載することにしました。順次掲載していきます。